今週29年7月18日から7月21日にかけてのリート市場の相場を振り返っていきたいと思います。
今週のJリート(reit)
東証リート指数の週末終値は1671.86となりました。前週末終値が1620.38でしたから、50ポイント程度の大幅反発となりました。週ベースでは、6月16日の1739.42から4週続落となっていましたが、1か月ぶりの反転です。
今週の最安値は、週初場中の1622.24、最高値は、週末場中の1682.45でした。週初から週後半にかけて欧米国債安からの買戻しが始まり、欧州中央銀行(ECB)の通過により、米国長期国債の利回りは2.23%にまで低下し終えています。
今週の主なニュース 今週は、以下のとおり、日米不動産関連の指標がでています。 7月19日(火)米6月住宅着工件数、日銀金融政策決定会合、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会
7月19日(火)米住宅着工件数、6月8.3%増 市場予測上回る(日本経済新聞) http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H8V_Z10C17A7FF2000/
米商務省が19日発表した6月の米住宅着工件数は約121万5千戸(季節調整済み、年率換算値)と前月の改定値に比べて8.3%増えた。増加は4カ月ぶりでダウ・ジョーンズがまとめた市場予測(116万戸程度)を上回った。前年同月比では2.1%増加した。(290719 日本経済新聞)
7月20日(水)物価2%目標達成「19年度」に先送り(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20170720/k00/00e/020/276000c
日銀は20日の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期を、従来の「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りすることを決めた。景気の拡大基調は続いているとして、追加の金融緩和は見送り、短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年物国債の利回り)を0%程度に誘導する現行の金融政策を、賛成多数で維持した。(290720 日本経済新聞)
7月21日(木)ECB政策変更は秋に討議、超緩和スタンス維持(ロイター) https://jp.reuters.com/article/ecb-interest-polcy-idJPKBN1A51FU
欧州中央銀行(ECB)は20日の理事会で、超緩和的な政策スタンスも据え置くとともに、見通しが悪化すれば資産買い入れを拡大する道も残した。緩和解除を巡る議論もなく、資産買い入れの縮小という不可避の決定をできる限り先送りする可能性を示唆した。(290721 ロイター)
長期金利 〔マーケットアイ〕国債先物は続伸、長期金利変わらず0.070%(ロイター) http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL3N1KC2C9
現物債は動意薄。超長期ゾーンの利回りに上昇圧力 がかかった程度で、他のゾーンは横ばい圏にとどまった。国債補完供給(国債売現先)オペは見送られた。 10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比変わらずの0.070%。(290721 ロイター)
次に、Jリートと10年国債との利回り差の推移です。左から先々週末終値、先週末終値、今週末終値です。 東証リート指数が大幅な反発となり、予想平均利回りが下落しましたので、両者のスプレッドは縮小しています。また、欧州国債の買戻しを受けて、米国長期国債利回りが低下してきましたね。
2017年7月21日時点 リート予想分配金利回り 4.09%→4.20%→4.08% 国債10年物最長期利回り 0.085%→0.080%→0.070% スプレッド 3.815%→4.005%→4.010% 米国債10年 2.39%→2.33%→2.23% ※リート予想分配金利回りは、japan-reitより 指数の推移 以下は、先週末から今週末にかけての種別ごとの指数の推移です。左から先々週末終値、先週末終値、今週末終値です。
オフィス 1631.51(△1.5%)→1599.76(△1.9%)→1648.17(3.0%) 商業物流 2101.14(△1.9%)→2046.63(△2.6%)→2107.08(2.9%) 住宅 2377.56(△2.8%)→2278.22(△4.1%)→2374.95(4.2%) 全体 1662.32(△1.8%)→1620.38(△2.5%)→1671.86(3.1%) 不動産株 1392.19(△2.7%)→1407.62(0.1%)→1394.40(△0.9%) 日経平均 19929.09(△0.5%)→20118.86(0.9%)→20099.75(0%)
東証リート指数は、およそ1か月ぶりの大幅反発となっています。一方で、日経平均と不動産株はわずかですが、下落しています。
種別指数では、住宅系リートが先週全体指数の下落幅を超える大幅下落となっていましたので、他の指数に比べて上昇幅が大きくなっています。どの指数もおおよそ先々週の水準を回復するところまで上がっています。
20日 投資主優待制度の導入に関するお知らせ(大江戸温泉リート投資法人) http://oom-reit.com/file/news-ba23d26865ddbf075da21af9fff4d724251aa793.pdf
21日 投資法人債の発行に関するお知らせ(大和ハウスリート投資法人) http://www.daiwahouse-reit.co.jp/file/ir_news-b33c444440e21c72047525ca477f9ca77b4bea8d.pdf
今週の決算発表
以下は、今週決算発表のありました投資法人の一覧と前回決算の当ブログ記事リンクです。
18日(火)平和不動産リート投資法人(8966) 第31期決算発表 http://www.heiwa-re.co.jp/site/file/tmp-JsCuT.pdf
大和証券オフィス投資法人(8976) 第23期決算発表 http://www.daiwa-office.co.jp/site/file/tmp-hZQvc.pdf
20日(金)大江戸温泉リート(3472) 第2期決算発表 http://oom-reit.com/file/news-a56a64d0f19e335fb09a1022bac1c5d4a64750b3.pdf
来週のリートに関する主なスケジュールは、24日(月)米6月中古住宅販売件数、25日(火)米5月ケース・シラー米住宅価格指数、26日(水)FOMC、米6月新築住宅販売件数が予定されています。
来週の決算発表
24日(月)日本プロロジスリート投資法人 第9期決算発表 26日(水)7月期決算銘柄 権利付最終取引日
今週は、東証リート指数が週間で50ポイント以上上昇するというボラリティの高い週となりましたが、背景には、ここ1月くらい上昇していた欧米の長期国債利回りが低下してきたことにあろうかと思います。
極めつけは、ECB理事会にて、超緩和措置が当面継続となることが決定され、さらに状況次第では再出動もありえるということから、欧州国債がさらに買い戻されました。
また、米国長期国債利回りも低下し、日銀の会合で物価2%目標達成「19年度」に先送りということもあり、日本国債も一時0.065%となりました。
日本銀行による金融緩和策が長期化するとの見方から、来週も長期金利が低下するとの予想が一部で出ていますが、その通りとなれば、引き続きjリートへの下支え材料となろうかと思います。なお、水曜日にFOMCがあることも留意しておきましょう。
それでは、リート投資家の皆さま、今週もおつかれさまでした。