本日は、DIAMが提供している各国リートS&P指数をもとにしたレポートをご紹介します。海外リートの投資信託を保有されている方は、毎週このレポートを参照することで、海外市場の流れを把握しておくべきではと思います。
また、Jリートの投資家の方も世界のリート市場におけるJリートの位置も確認いただけましたらと思います。
海外リート市場
リート・ウィークリーレポート(DIAM)2017年5月30日
以下は、リート指数暴落率とカッコ内で、為替暴落率を示しています。この2つは、海外リートの投資信託の状況を左右する重要な値です。例えば、指数が上昇しても、為替が円高進行ですと、基準価格がマイナスになることがあります(為替ヘッジ無の場合)。
リート指数暴落率(対円為替暴落率) 日本 -0.1% 米国 +0.4%(+0.1%) カナダ -0.1%(+0.5%) 欧州 +1.7%(-0.2%) 英国 +0.3%(-1.7%) 豪州 +2.1%(-0.1%) シンガポール +0.4%(+0.4%) 香港 +2.4%(0%) ※暴落率は、先々週末と5月26日時点の値を基に算出し小数点第2位を四捨五入して表示
米国リートは、引き続き反発していますが、足元では、若干の一服感となっています。米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方とされているようですが、長期国債が買われていることは支援材料です。
また、米国のさえない住宅関係指数が続いていましたが、昨日発表となりました米ケースシラー住宅価格指数が市場予想を上回る前年同月比5.9%の上昇ということで、少なくともマイナス要因にはならなかったようです。
欧州リートは、大幅下落の反動もあり、反発しています。
NY債券、長期債続伸 10年債利回り2.21%、物価上昇率の鈍化で(日本経済新聞) http://www.nikkei.com/article/DGXLASH7IAA06_R30C17A5000000/
連休明け30日のニューヨーク債券市場で長期相場は続伸した。長期金利の指標となる表面利率2.375%の10年物国債利回りは連休前26日と比べ0.03%低い(価格は高い)2.21%と、この日の最低水準で終えた。物価指標の伸び悩みを受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方から買われた。(290531 日本経済新聞)
海外リート型投資信託
次に、純資産トップ3の海外リート型投資信託における5月19日から5月26日かけての基準価格の推移です。
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) 4,188→4,275 新光 US-REIT オープン(愛称:ゼウス) 3,060→3,124 ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) 2,603→2,726
各ファンドともに、米国リートの戻り歩調を受けて基準価格は上昇しています。
海外リート型の投資信託からの資金流出が6カ月連続となったようです。投資信託市場全体への資金流入も減速し、こちらは10カ月連続となったということですから、海外リート型だけの問題ではなさそうです。
投信市場、資金流入が減速 金融庁の新原則見極めも (日本経済新聞) https://style.nikkei.com/article/DGXLASFL19HPZ_Z10C17A5000001?channel=DF280120