今週29年8月28日から9月1日にかけてのリート市場の相場を振り返っていきたいと思います。
今週のJリート(reit)
東証リート指数の週末終値は1675.44となりました。前週末終値が1698.49でしたから、23ポイント程度の下落となりました。8月に入ってから、1685から1700ポイントの上下を週ベースで繰り返してきましたが、唯一同様の水準にまで下落した14,15日以来の安値です。
今週の最安値は、週末場中の1672.94、最高値は、週初場中の1698.49でした。木曜日までは、1680ポイント台をウロウロしていましたが、週末に安値となっています。
今週の主なニュース 今週は、以下のとおり、日米不動産関連の指標がでています。 28日(月)8月期決算銘柄 権利付最終取引日、29日(火)米6月ケース・シラー米住宅価格指数、31日(木)3481 三菱地所物流リート投資法人 IPOブックビルディング(9/5迄)、1日(金)米雇用統計
29日(火)米ケース・シラー住宅価格指数、6月は前年比5.7%上昇(ロイター) http://jp.reuters.com/article/us-econ-case-idJPKCN1B91WA
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発表した、6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は、主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年同月比5.7%上昇し、前月と変わらず市場予想と一致した。(290829 ロイター)
三菱地所物流リート投資法人について(japan-reit) http://www.japan-reit.com/column/2017/1245
スポンサーは投資法人の名称が示す通り、三菱地所であり、同社が100%出資する三菱地所投資顧問が運用会社となります。三菱地所が運用する上場REITとしては、ジャパンリアルエステイト投資法人(証券コード8952)につぐ2銘柄目、非上場の日本オープンエンド不動産投資法人を含めると3銘柄目となります。(290810 japan-reit)
1日(金)米8月雇用者数は15.6万人増に鈍化、賃金の伸び振るわず(ロイター) http://jp.reuters.com/article/us-econ-us-payroll-idJPKCN1BC5J8
米労働省が発表した8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が15万6000人増となり、伸びは前月の18万9000人を含め、過去2か月間の底堅い水準から鈍化、予想の18万人も下回った。失業率は4.4%と、0.1%ポイント上昇した。(中略)モルガン・スタンレーのエコノミスト、ロバート・ロゼナー氏は「8月の雇用統計は例年、新学期開始などで季節調整が難しく、弱めの結果が出やすい」と指摘した。 (290901 ロイター)
長期金利 長期金利マイナス0.005%に低下 マイナス圏は10カ月ぶり(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXLASGF01H06_R00C17A9000000/
長期金利が約10カ月ぶりにマイナスに沈んだ。指標となる新発10年物国債利回りは1日午後に一時、前日比0.015%低い(価格は高い)マイナス0.005%となった。10年金利がマイナス圏に沈むのは2016年11月16日以来。米国の政治の先行き不透明感や地政学リスクへの警戒感などを背景に、安全資産とされる国債の需要が高まった。(290901 日本経済新聞)
次に、Jリートと10年国債との利回り差の推移です。左から先々週末終値、先週末終値、今週末終値です。 国債長期利回りが引き続き低下していますが、東証リート指数も下落となり、予想平均利回りが上がったため、両者のスプレッドは拡大しています。
2017年9月1日時点 リート予想分配金利回り 4.02%→4.06%→4.10% 国債10年物最長期利回り 0.040%→0.015%→△0.005% スプレッド 3.980%→4.045%→4.105% 米国債10年 2.18%→2.16%→2.16% ※リート予想分配金利回りは、japan-reitより 指数の推移 以下は、先週末から今週末にかけての種別ごとの指数の推移です。左から先々週末終値、先週末終値、今週末終値です。
オフィス 1676.16(0.7%)→1653.20(△1.3%)→1650.08(△0.1%) 商業物流 2135.07(1.3%)→2122.01(△0.6%)→2098.62(△1.1%) 住宅 2462.33(1.4%)→2445.42(△0.6%)→2426.03(△0.7%) 全体 1702.69(0.9%)→1685.96(△0.9%)→1675.44(△0.5%) 不動産株 1331.39(△2.9%)→1331.11(0%)→1344.37(0.9%) 日経平均 19470.41(△1.3%)→19452.61(0%)→19691.47(1.2%)
東証リート指数は、8月に入ってから0.9%下落→0.9%上昇→0.9%下落と週あたりで同水準の上下を繰り返してきました。本来であれば、今週は、値を戻す週のはずでしたが、続落となっています。一方、日経平均、不動産株ともに、上昇しています。
種別指数では、先週大きめに下落したオフィス系リートは、ほぼ変わらず。商業物流系は、1%超の下落となりました。先々週の上昇幅を保ったのは、住宅系リートのみです。
29日 資産の取得に関する契約の締結に関するお知らせ(GLP投資法人) http://www.glpjreit.com/site/file/tmp-KjEsZ.pdf
29日 資産(匿名組合出資持分)の取得に関するお知らせ(ケネディクス・レジデンシャル投資法人) http://www.kdr-reit.com/news/
30日 国内不動産の取得に関するお知らせ(追加取得)【おやまゆうえんハーヴェストウォーク(ユニクロ棟)】(日本リテールファンド投資法人) http://www.jrf-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/xjs08259A75A3B029244.pdf
30日 資産の譲渡に関するお知らせ(芦屋川西ショッピングマート)(ユナイテッド・アーバン投資法人) http://www.united-reit.co.jp/file/news-57628a9bf3fe18814be0f4f532a97f46e834b6c1.pdf
31日 格付の見通し変更のお知らせ(いちごオフィスリート投資法人) https://www.ichigo-office.co.jp/module/_newsPdfReit/510/IchigoOffice_20170831_Rating_Outlook_JPN.pdf
今週の決算発表
以下は、今週決算発表のありました投資法人の一覧と前回決算の当ブログ記事リンクです。
なし
来週のリートに関する日米の主なスケジュールは、6日(水)三菱地所物流リート投資法人 IPO発行価格決定 、7日(木)三菱地所物流リート投資法人 IPO申込(9/12迄)が予定されています。
来週の決算発表
なし
今週は、10年長期国債利回りがさらに低下し、10か月ぶりのマイナス利回りへと突入しています。通常ですと、リートにとって、格好の追い風材料ではありましたが、指数はいまだ反応しておらず、逆にさらなる下落となっています。
マイナス圏というのは、インパクトのある現象ではないかと思うのですが、それでも東証リート指数は一向に反応を示しませんでした。マイナス圏突入が米雇用統計を控えた週末のことでしたので、様子見モードということにはなったと思います。
このため、週明けには、様子見の穴を埋めてくるかもしれませんが、穴埋め程度の上昇幅ではないでしょうか。ですが、長期国債利回りがこのままマイナス圏を進んでいき、東証リート指数もさほど反応しないのであれば、通常モードに戻った際には、その差分は埋められてくる可能性もありますね。
それでは、リート投資家の皆さま、今週もおつかれさまでした。