この記事では、2017年5,6月のJリートに関する各種情報まとめを提供します。
Jリート市場全体のDATA
6月は1600台に突入しておりましたので、時価総額が減少し、予想利回りが上昇しています。そのような中で、物件の取得と公募増資はかなりの低水準となりました。その代わり、6月には、8法人が投資法人債を発行しています。
(百万円) | |||
4月 | 5月 | 6月 | |
銘柄数 | 58 | 58 | 58 |
時価総額 | 11,660,649 | 11,786,658 | 11,434,452 |
東証リート指数 | 1733.96 | 1748.56 | 1694.36 |
予想分配利回り | 3.87% | 3.88% | 4.01% |
NAV倍率 | 1.12 | 1.12 | 1.08 |
物件取得額 | 155,341 | 53,879 | 44,842 |
公募増資 | 3 | 2 | 0 |
公募増資額 | 37,854 | 15,612 | 0 |
次に、東証からリリースされております「投資部門別 不動産投資信託証券売買状況」の2017年6月分を取り上げたいと思います。
投資部門別 不動産投資信託証券売買状況(東証) http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/nlsgeu000002jvq1-att/reit_m1706.pdf
6月の投資部門別売買状況
まず4月の状況ですが、以下のとおりになっています。
証券会社自己 295億 買い越し 投資信託 162億 売り越し 個人 104億 売り越し 海外投資家 92億 売り越し 事業法人 87億 売り越し 生保・損保 0.2億 買い越し 銀行 11億 買い越し その他金融 82億 買い越し
部門別では、投資信託、海外投資家が揃って売り越しとなっています。投資信託と銀行は、だいたい海外投資家と異なる動きとなることが多いのですが、投資信託が海外投資家と同様に売り越しとなり、金融機関の買い越し額もあまり伸びていないというのが結果です。
7月以降の投資部門別売買状況
以下に、単純な買い越し売り越しの勝敗表のような整理表を掲載しました。○が買い越し、×が売り越しです。赤文字は、大幅な売り買いがあった年月です。
2月 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
投資信託 | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
海外投資家 | ○ | × | × | × | ○ | × |
銀行 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
3月 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
投資信託 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
海外投資家 | ○ | × | × | × | ○ | × |
銀行 | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
4月 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
投資信託 | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
海外投資家 | × | ○ | × | × | ○ | ○ |
銀行 | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
5月 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
投資信託 | × | ○ | × | ○ | ○ | × |
海外投資家 | × | × | ○ | × | × | × |
銀行 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
6月 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
投資信託 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
海外投資家 | × | × | ○ | × | × | × |
銀行 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
7月 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
投資信託 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | |
海外投資家 | × | × | × | ○ | × | |
銀行 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
上記は、単純に傾向をつかむくらいにしか役立ちませんが、海外投資家VS銀行・投資信託連合軍といった構図が見て取れます。なお、本邦個人投資家は、万年売り越しなので省略してあります。常に売り越しと考えてください。
5,6月では、海外投資家VS銀行・投資信託連合軍という構図が久々に崩れたということになります。ここ数年の傾向としては、5月以降の海外投資家の鈍い動きを投資信託と銀行の買いで支えていたというものでしたが、投資信託という支え手を失ったとすれば、買い手不在状態という厳しい状況となります。