Jreit(不動産投資信託)情報weekly~リート話はてな支局

Jreit(不動産投資信託)の情報をほぼweeklyで提供。

今週(10~13日)のJリート(REIT)、4週続落で瞬間年初来安値。2016年以来の水準にも一瞬踏み込む。

今週29年10月10日から10月13日にかけてのリート市場の相場を振り返っていきたいと思います。

今週のJリートreit

東証リート指数の週末終値1625.91となりました。前週末終値が1645.93でしたから、20ポイント程度の大幅続落となりました。これで4週続落となっています。

今週の最安値は、週末場中の1619.08、最高値は、週初場中の1648.70でした。週初若干の反発をみせた後は、ずるずると下げ続け、7月14日につけた安値1620.38に接近する安値となりました。また、週末に一時1619.08を記録していますが、これは年初来安値です。ちなみに、これを下回る水準は、2016年1月21日にまでさかのぼることになります。

s512_f_business_28_0 今週の主なニュース 今週は、以下のとおり、日米不動産関連の指標がでています。 12日(木)三鬼商事オフィスマーケット統計

空室率が3.17%まで低下、三鬼商事(日経不動産マーケット) https://www.e-miki.com/market/datacenter/prt/21_201710.pdf

■都心5区オフィス空室率@2017年9月 3.17%(YoY-0.53ポイント、MoM-0.18ポイント) ※空室面積MoM-1万3000坪程度 ▼新築ビル:16.11%(YoY+3.93ポイント、MoM-2.88ポイント) ▼既存ビル:2.90%(YoY-0.57ポイント、MoM-0.15ポイント) ■都心5区オフィス坪あたり募集賃料@2017年9月 1万8995円(YoY+659円、MoM+38円) ▼新築ビル:2万7108円(YoY-997円、MoM+84円) ▼既存ビル:1万8774円(YoY+640円、MoM+7円) ※YoYは前年同月比、MoMは前月比。(291012 日経不動産マーケット)

s32_f_event_33_1nbg長期金利 債券15時 長期金利は横ばい 流動性供給入札を巡りもみ合い(日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0IMB04_T11C17A0000000/

13日の債券市場で長期金利の指標となる新発10年債利回りは前日比横ばいの0.060%で推移した。朝方は財務省実施の流動性供給入札を前に持ち高調整の売りが出たが、結果が「順調」(国内証券)と受け止められると債券の買い圧力が強まった。(291013 日本経済新聞

次に、Jリートと10年国債との利回り差の推移です。左から先々週末終値、先週末終値、今週末終値です。 国債長期利回りが週ベースでわずかですが、上昇しました。東証リート指数は続落となり、両者のスプレッドのさらに拡大しています。

2017年10月13日時点 リート予想分配金利回り  4.16%→4.16%→4.22% 国債10年物最長期利回り  0.060%→0.050%→0.060% スプレッド        4.10%→4.11%4.16% 米国債10年        2.33%→2.35%→2.31% ※リート予想分配金利回りは、japan-reitより 日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス s32_f_business_22_0nbg 指数の推移 以下は、先週末から今週末にかけての種別ごとの指数の推移です。左から先々週末終値、先週末終値、今週末終値です。

オフィス 1626.65(△0.4%)→1611.15(△0.9%)→1589.86(△1.3%) 商業物流 2069.55(△0.2%)→2072.81(0.1%)→2050.00(△1.0%) 住宅   2409.81(0%)→2397.05(△0.4%)→2368.63(△1.2%) 全体   1653.72(△0.3%)→1645.93(△0.4%)→1625.91(△1.2%) 不動産株 1384.17(△0.6%)→1420.19(2.6%)→1430.32(0.7%) 日経平均 20356.28(0.2%)→20690.71(1.6%)→21155.18(2.2%

東証リート指数は、1%超の続落となりました。一方、日経平均は、2%を超える大幅続伸となりました。米国リートが株式市場につられて上昇していますが、東証リート指数は、逆に下落しています。

この株式市場が上昇すると、東証リート指数が下落するという症状は、今までにもたびたびみられています。米国におけるリートの立ち位置と日本におけるリートの立ち位置の違いかもしれません。

種別指数では、前種別で同程度の下落となりました。今週発表されましたオフィス統計も引き続き堅調なものであったと思いますが、特段の材料にはなりませんでした。 chart21

l_e_new_340 今週の主なリリース

10日 自己投資口取得に係る事項の決定のお知らせ(いちごホテルリート投資法人https://www.ichigo-hotel.co.jp/module/_newsPdfHotel/48998110/IchigoHotel_20171010_Share_Buyback_JPN.pdf

11日 国内不動産信託受益権の取得に関するお知らせ【ラウンドワン三宮駅前店】(日本リテールファンド投資法人http://www.jrf-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/xjs14059DDBD30AE8610.pdf

11日 新投資口発行及び投資口売出しに関するお知らせ(星野リゾート・リート投資法人http://www.hoshinoresorts-reit.com/site/file/tmp-GBYGP.pdf 国内不動産の取得及び貸借に関するお知らせ平成30 年4月期の運用状況及び分配の予想の修正並びに平成30 年10 月期の運用状況及び分配の予想に関するお知らせ

11日 資産の取得及び貸借に関するお知らせ(大博多ビル、大同生命大宮ビル及び山上ビル)(One リート投資法人http://www.one-reit.com/file/news-d1e4e62d037f53266bbba51155bc9b850d9c2b4f.pdf平成30年2月期(第9期)の運用状況及び分配金の予想の修正並びに平成30年8月期(第10期)の運用状況及び分配金の予想に関するお知らせ

13日 新投資口発行及び売出しに関するお知らせ (ヒューリックリート投資法人http://www.hulic-reit.co.jp/file/news-fd7a560c502cca4c23e3fa113693c8ca005fc5c4.pdf ・資産の取得及び貸借並びに譲渡に関するお知らせ ・平成 30 年 2月期の運用状況及び分配金の予想修正並びに平成 30 年 8月期の運用状況の予想について

今週の決算発表

以下は、今週決算発表のありました投資法人の一覧です。

12日(木) 福岡リート投資法人 第26期決算発表 13日(金) 野村不動産マスターファンド投資法人 第4期決算発表 ラサールロジポート投資法人 第3期決算発表

s512_f_business_28_0 来週の主なスケジュール

来週のリートに関する日米の主なスケジュールは、18日(水)米9月住宅着工件数、20日(金)米9月中古住宅販売件数が予定されています。

来週の決算発表

16日(月)日本リテールファンド投資法人 第31期決算発表 Oneリート投資法人 第8期決算発表 ジャパン・シニアリビング投資法人 第4期決算発表 森トラスト・ホテルリート投資法人 第3期決算発表 17日(火)オリックス不動産投資法人 第31期決算発表 18日(水)大和ハウスリート投資法人 第23期決算発表 19日(木)日本アコモデーションファンド投資法人 第23期決算発表

今週も米国リート市場が比較的堅調な相場となっている一方で、東証リート指数は、終値ベースで、7月以来の安値となりましたし、瞬間2016年1月以来の安値にも踏み込んでいく展開となりました。

先週も書いていますが、やはり最近のJリート市場は、海外市場の影響よりも国内要因の方に注目していった方がいいのかもしれません。日本の株式市場は20年ぶりという数字が飛びかっているほど非常に堅調ですが、一方でJリートからは資金が離れていっている状況です。

今週は、星野リゾート・リート投資法人(3287)ヒューリックリート投資法人(3295)から公募増資のリリースがありました。また、先日大型旗艦物件の売却を発表したOne リート投資法人(3290)の物件取得のリリースもありましたね。

このような中、いちごホテルリート投資法人(3463)は、自己投資口の取得を設定するとのリリースでした。リリースの中でも、投資口価格が2017 年7 月期末時点の1 口当たりNAV(純資産)139,940 円を20%超下回る水準と書かれています。

自己投資口の取得には、様々目的があろうかと思いますが、投資口価格がなかなか上昇していかないところで、物件価格も上昇しているということで、公募増資が実施しづらくなっているということもあろうかと思います。

長い目でみますと、昨今不動産マーケットを支えてきた投資法人が物件を取得できなくなってきますと、物件価格の反転が始まり、日本全体の景気にも大きな影響を及ぼす可能性もあろうかと思います。星野リゾート・リート投資法人(3287)ヒューリックリート投資法人(3295)が今回の公募増資で取得する多くのセクターは、ホテルですしね。

それでは、リート投資家の皆さま、今週もおつかれさまでした。