本日は、DIAMが提供している各国リートS&P指数をもとにしたレポートをご紹介します。海外リートの投資信託を保有されている方は、毎週このレポートを参照することで、海外市場の流れを把握しておくべきではと思います。
また、Jリートの投資家の方も世界のリート市場におけるJリートの位置も確認いただけましたらと思います。
海外リート市場
リート・ウィークリーレポート(DIAM)2017年6月20日
以下は、リート指数暴落率とカッコ内で、為替暴落率を示しています。この2つは、海外リートの投資信託の状況を左右する重要な値です。例えば、指数が上昇しても、為替が円高進行ですと、基準価格がマイナスになることがあります(為替ヘッジ無の場合)。
リート指数暴落率(対円為替暴落率) 日本 +0.3% 米国 +1.6%(+0.5%) カナダ -0.8%(+2.5%) 欧州 +0.1%(+0.5%) 英国 +1.8%(+0.8%) 豪州 +4.2%(+1.7%) シンガポール +0.5%(+0.6%) 香港 -1.0%(+0.4%) ※暴落率は、先々週末と6月16日時点の値を基に算出し小数点第2位を四捨五入して表示
米国リートは、続伸しました。13,14日のFOMCにおいて、政策金利の誘導目標が1.00-1.25%に引き上げられましたが、これに対する反応は今のところまだ見られていないようです。
通常ですと、長期金利が今後上昇すると見込まれると、リートへの下押しがかかるわけですが、折り込み済みか、もしくは長期金利が上昇するとしても緩やかだと見られていることになります。
そのほか、続伸続きであった香港リートは、一服。豪州リートは、大幅反落した反動もあり、大きく戻しています。
NY債券、長期債は小反落 10年債利回り2.16%、原油安は支え(日本経済新聞) http://www.nikkei.com/article/DGXLASH7IAA06_S7A620C1000000/
21日のニューヨーク債券市場で長期債相場は小反落した。長期金利の指標となる表面利率2.375%の10年物国債利回りは、前日比0.01%高い(価格は低い)2.16%で終えた。早朝の取引で売りが先行した。ただ、原油安で物価上昇が抑制されるとの見方が広がり、下げ渋って終えた。(290622 日本経済新聞)
海外リート型投資信託
次に、純資産トップ3の海外リート型投資信託における6月9日から16月9日かけての基準価格の推移です。
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) 4,208→4,261 新光 US-REIT オープン(愛称:ゼウス) 3,012→3,109 ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) 2,560→2,636
各グローバルファンドともに上昇しています。当該期間で、米国リートが上昇し、ドル円も上昇ということで、相乗効果でした。
以下は、そのほかの気になる分野別の海外リートファンドの値動きです。
【非毎月分配型】 フィデリティ・USリート(資産成長)D(H無) 15,901→16,377
【地域限定】 アジア好利回りリート・ファンド 7,981→7,979 DIAM オーストラリアリートオープン 9,665→10,114
【ETF】 iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF 8,804→9,016
海外リート型の投資信託からの資金流出が6カ月連続となったようです。投資信託市場全体への資金流入も減速し、こちらは10カ月連続となったということですから、海外リート型だけの問題ではなさそうです。
投信市場、資金流入が減速 金融庁の新原則見極めも (日本経済新聞) https://style.nikkei.com/article/DGXLASFL19HPZ_Z10C17A5000001?channel=DF280120
5月末REITファンド 純資産残高(億円) 前月比(%) 資金純流出額(億円 ) 117510.95 -2.1 -166.54
最後に、米国の長期金利に関する情報をご紹介します。最近の米国リートが堅調ですが、その背景として、長期金利の低下傾向が下支え材料となっているものと思われます。
ドル高にならないのは長期金利が原因!利上げでも米国債が買われる理由は?(ダイアモンドzai) http://zai.diamond.jp/articles/-/225522
米ドル高が進まないのはなぜ?(中略)その1番の理由は米国の長期金利です。本日、6月22日(木)現在、米国の10年物国債の利回りは2.15%程度で推移しています。(中略)現在は年初来の最低水準にまで低下してきています。(290622 ダイアモンドzai)